表情筋トレーニングはやめたほうがいい?
査読研究の裏づけなし「やめたほうがいい」という説を裏づける査読研究は見つかりませんでした。
この説を載せているのは、検索上位で確認した限りすべて美容クリニックのコラムでした。記事の中で研究が引用されている例も確認できませんでした。施術を販売する立場からの発信である点は、情報の受け取り方に影響します。
よく聞かれる疑問に、公表されている研究と公的資料をもとに答えます
結論として、「やめたほうがいい」という説に査読研究の裏づけは見つかりませんでした。一方で、効果を確実に立証した研究もありません。現時点で言えるのは「害の報告はないが、効果も確定していない」までです。
「やめたほうがいい」という説を裏づける査読研究は見つかりませんでした。
この説を載せているのは、検索上位で確認した限りすべて美容クリニックのコラムでした。記事の中で研究が引用されている例も確認できませんでした。施術を販売する立場からの発信である点は、情報の受け取り方に影響します。
顔の運動を扱った12件の研究(女性321名)で、有害事象の報告はゼロでした。
2025年の系統的レビュー(Aesthetic Surgery Journal Open Forum)による集計です。ただし研究期間はいずれも短期のため、長期的な影響は検証されていません。「安全」と言い切れる段階ではなく、「害の報告はないが長期は未検証」が正確です。
同じ表情を繰り返すとしわが定着していく現象自体は、皮膚科学で説明されています。
筋肉の収縮で皮膚が折れ曲がり、加齢とともに元へ戻る力が落ちることで、動いたときだけのしわが定着したしわに変わります。ただし「意図的なトレーニングがこれを起こす」ことを検証した対照研究は見つかりませんでした。機序としての懸念が的外れとは言えない一方、実証もされていません。
見た目年齢の評価が下がったという報告はありますが、効果は確定していません。
40〜65歳の女性が20週間、1日30分の顔の運動を続けた研究で、見た目年齢の評価が平均50.8歳から48.1歳に変化しました(Alam ほか、JAMA Dermatology 2018年)。ただし完遂は16名で対照群がありません。前述の系統的レビューも、有効性については「確実に立証するには証拠が不十分」と結論しています。
口の動きの速さには、公的な基準があります。
「パ」「タ」「カ」を1秒間に何回言えるかは、口腔機能低下症(2018年に医療保険の病名として収載)の検査項目のひとつです。いずれかが1秒あたり6回未満だと、舌と唇の運動機能の低下と判定されます。表情筋側と比べて、裏づけがはっきりしている領域です。
根拠のはっきりしている滑舌側を測定の軸に置いています。パタカ測定では、公的な基準値である6回/秒と比べた結果を返します。表情筋側の測定は、動きの大きさを記録して変化を追うためのものです。
出典
本ページは公表されている研究と公的資料を整理したもので、診断や治療の助言ではありません。気になる症状がある場合は歯科・医療機関にご相談ください。